「会社が辛くて今すぐ辞めたいけれど、退職代行の選び方に失敗したくない」
「ニュースで話題になったモームリって、今は利用しても大丈夫なの?」
「自分の状況には、どのタイプの業者を選ぶのが一番安全なんだろう?」
近年、利用者が急増している退職代行サービスですが、2026年5月、業界最大手クラスの「モームリ」の運営会社(アルバトロス)と提携弁護士(弁護士法人オーシャン)が、弁護士法違反(非弁行為・比較提携)の罪で起訴され、大きなニュースとなりました。
新体制となり、法的にクリーンな形で新規受付を再開したモームリですが、「結局、何を基準に業者を選ればいいのか分からない」と不安になった方も多いはずです。
実は、退職代行は「モームリ=ダメ」ということではなく、運営元によって「法律上できる業務の範囲」が全く異なります。
今回は、自分の状況に合わせて最も損をせず、安全に会社を脱出するための「正しい退職代行の選び方」を分かりやすく解説します。
📌 目次
- ニュースのおさらい:新体制で再開した「モームリ」のいま
- 知っておかないと危険!退職代行「3つの運営元」と業務範囲の違い
- サイトにある「弁護士のご案内も可能」ってどういう意味?
- 【フローチャート】あなたの状況に合わせたベストな選び方
- まとめ:自分の「辞めたい目的」に合わせた、正しい盾を選ぼう
1. ニュースのおさらい:新体制で再開した「モームリ」のいま
まず、渦中の「モームリ」の現在の状況についてフラットに整理しておきましょう。
2026年2月、前社長らが弁護士資格がないにもかかわらず「会社との交渉が必要な依頼者」を弁護士に横流しし、裏で紹介料(キックバック)を受け取っていたとして逮捕・起訴されました。
これを受けて運営会社は、代表取締役を刷新するなどの大幅な経営体制の変更を行い、関係法令を徹底して遵守する新体制を構築。現在は新規受付を正式に再開しています。
つまり、現在のモームリは過去の違法なフローを完全に排除し、国から認められた「クリーンな民間業者」として営業しているため、利用すること自体に問題はありません。
ただし、民間業者だからこそ、「法律上、できることの限界」がハッキリと存在します。
2. 知っておかないと危険!退職代行「3つの運営元」と業務範囲の違い
退職代行サービスは、大きく分けて「民間企業」「労働組合」「弁護士法人」の3つに分類されます。それぞれの「できること・できないこと」を比較表にまとめました。
| 運営元のタイプ | 主なサービス例 | 会社との「交渉」 | メリットとできること | デメリットと注意点 |
| ① 民間企業 | 新体制のモームリ など | ❌ 一切不可 | ・料金が比較的安い ・連絡の仲介は迅速 | ・会社から「辞めさせない」「有給はダメ」と言われたらそれ以上の交渉ができない |
| ② 労働組合 | わたしNEXT、ガーディアン など | ⭕️ 条件交渉が可能 | ・有給消化、退職日の交渉が合法的にできる ・コスパと安全性のバランスが良い | ・会社側と裁判(法的紛争)に発展した場合は対応できない |
| ③ 弁護士法人 | 各種法律事務所 | ⭕️ すべての法律事務 | ・未払い残業代や給与の請求ができる ・損害賠償などのトラブルに100%勝てる | ・他のタイプに比べて費用が高め |
⚠️ 民間企業(モームリなど)の限界
新体制のモームリをはじめとする民間企業は、法律を破らないために「あなたの退職の意思を会社に伝える(伝言係)」という業務に徹します。
そのため、会社側から「勝手に辞めるな」「有給なんて使わせない」と突っぱねられた場合、あなたに代わって「有給を使わせてください」と交渉することは法律上できません。
3. サイトにある「弁護士のご案内も可能」ってどういう意味?
「モームリのサイトを見たら、今も『裁判の代理人項目で弁護士のご案内も可能』って書いてあるけど大丈夫?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、現在の案内は裏での紹介料(バックマージン)のやり取りを一切排除した、完全にクリーンな「無料の情報提供(窓口案内)」ですので、安心して大丈夫です。
かつて逮捕の原因となった「違法な横流し」ではなく、現在は「会社とトラブルになりそうなら、こちらの弁護士事務所へご自身で相談してみてください」と、連絡先を教えるだけの仕組みに変わっています。
💡 ただし、利用者側には「手間のデメリット」も
モームリ経由で弁護士を紹介してもらい、実際に会社と交渉してもらう場合、法律上の交渉自体は本物の弁護士が行うため100%合法です。
しかし、利用者のステップとしては以下のように二度手間になってしまいます。
- モームリに申し込むが、会社と揉めたため裁判などの代理人が必要になる
- 提携先の弁護士を案内される
- 改めてその弁護士法人と直接契約を結び直す(追加の弁護士費用も発生する)
そのため、最初から会社と揉めることが分かっている場合は、案内を経由するよりも、最初から弁護士直営のサービスを選んだ方がスムーズです。
4. 【フローチャート】あなたの状況に合わせたベストな選び方
「結局、私はどこを選べばいいの?」と迷ったら、ご自身の職場の状況や、退職時に叶えたい目的に合わせて選びましょう。
📄 ルートA:「会社はすんなり辞めさせてくれそう」なら【民間企業】
- こんな人: ワンマン社長や意地悪な上司もおらず、退職を伝えるのが気まずいだけ。有給も残っていない、またはすでに消化済み、あるいは問題なく使用できそうな会社。
- おすすめ: 新体制のモームリなどの民間企業で、安価に対応可能です。
📄 ルートB:「残った有給を全部使って、損せず辞めたい」なら【労働組合】
- こんな人: 会社から「人がいないから有給なんて認めない」と言われそう。揉
- めたくはないけれど、自分の権利(有給)はキッチリ使って、次への転職資金に充てたい。
- おすすめ: 憲法で「団体交渉権」が保障されている労働組合直営のサービスを選びましょう。
- 会社は労働組合からの交渉を拒否できないため、安全かつスムーズに有給を消化して即日退職できます。
📄 ルートC:「残業代が未払い・会社と泥沼化しそう」なら【弁護士法人】
- こんな人: ブラック企業で残業代が数ヶ月分支払われていない、会社から「急に辞めたら損害賠償を請求するぞ」と脅されている。
- おすすめ: 100%あなたの「代理人」となって戦ってくれる弁護士法人に直接依頼しましょう。
- 手続きの二度手間もなく、法的なトラブルを解決してくれます。
5. まとめ:自分の「辞めたい目的」に合わせた、正しい盾を選ぼう
今回のモームリの事件は、「有名だから」「安いから」という理由だけで選ぶのではなく、「自分の退職に、会社との交渉が必要かどうか」を事前に見極めることの大切さを教えてくれました。
退職代行を使って今の苦しい環境から抜け出すという決断は、あなたのこれからの人生を守るための立派な一歩です。
だからこそ、会社と交渉するリスクが少しでもあるなら「労働組合」や「弁護士」という強力な法律の盾を。ただ伝えるだけで大丈夫なら、クリーンに生まれ変わった「民間企業」を。
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