はじめに
南米原産で「地球上で最悪の侵略的植物」とも評される特定外来生物・ナガエツルノゲイトウ。その旺盛な繁殖力は、農業や治水、生態系に深刻な影響をもたらしています。兵庫県では現在、広範囲にわたり確認され、県庁トップ主導の対策本部が設置されるなど、生態系保全に向けた取り組みが進行中です。
1. 兵庫県の最新ニュース:斎藤知事が対策本部を設置
2025年8月6日、兵庫県・**斎藤知事を本部長とする「特定外来生物対策本部」**が設置され、初会合が開かれました。対象はナガエツルノゲイトウとクビアカツヤカミキリ。稲美町などのため池では遮光シートによる対策も進められており、関係者からは「2年かけて死滅させたのにまた生えてきて…」と、その手ごわさを実感する声も聞かれます。MBS 毎日放送
2. 兵庫県内での生息状況(2024〜2025)
県の公式サイトによると、令和6年9月時点で、神戸市・尼崎市・西宮市・伊丹市・川西市・猪名川町・明石市・加古川市・高砂市・稲美町・播磨町・西脇市・多可町・姫路市・洲本市・南あわじ市の計16市町で確認されています。兵庫県環境部兵庫県
3. ナガエツルノゲイトウとは?
ナガエツルノゲイトウ(学名:Alternanthera philoxeroides)は、南アメリカ原産のヒユ科の多年生植物です。日本には観賞用植物や水草として持ち込まれましたが、繁殖力の強さから野外に広がり、深刻な生態系被害を引き起こしています。
2006年2月1日から、外来生物法によって特定外来生物に指定されており、栽培・保管・運搬・輸入・販売などが禁止されています。
4. 生態と特徴
- 茎の特徴:つる状で非常に長く伸び、水面や地上を覆い尽くします。
- 葉の特徴:細長く対生(左右対称に生える)、光合成効率が高い。
- 花:白く小さな球状の花をつけます(夏〜秋)。
- 繁殖方法:主に茎や根の断片から再生。種子による繁殖は日本ではほとんど見られません。
- 生育環境:川、湖沼、水路、湿地、田んぼなど。
ポイントは、「ほんの数センチの茎片からでも再生できる驚異的な再生能力」です。
5. 被害
ナガエツルノゲイトウは、日本の生態系や人間活動に深刻な影響を与えます。
- 生態系への影響
水面を覆い、光が届かなくなることで在来の水草や藻類が減少。結果として魚や水生昆虫の生息環境が失われます。 - 農業への影響
用水路や灌漑施設を詰まらせ、水流を妨げます。田んぼの水管理にも悪影響。 - 治水への影響
大雨時に水路が詰まり、洪水リスクを高めます。
6. 駆除禁止の理由と一般市民の注意点
外来生物法では、特定外来生物の捕獲や駆除は必ず許可を得た上で行う必要があります。
なぜかというと──
- 誤った駆除で逆に拡散する危険がある
ちぎれた茎や根が流れ着き、新たな群落を作ってしまう。 - 専門的な処理が必要
除去した植物は焼却処分や密閉処理など、再生できない形で処理しなければならない。 - 法的罰則がある
許可なく栽培・運搬・放出すると、個人でも懲役や罰金が科されます。
7. 一般市民ができること
- 野外で見つけても手を触れず、行政や環境団体に通報する。
- 園芸や水槽で育てない(ネットや店舗で販売している場合は通報)。
- 河川や池で草を刈る作業時、茎片を流出させないように注意。
8. まとめ
ナガエツルノゲイトウは、一見きれいな水草ですが、その繁殖力と被害は非常に大きく、日本の自然や農業にとって脅威です。
一般市民は「触らない・動かさない・通報する」を徹底し、拡散を防ぐことが重要です。
この記事はAIツールで収集した情報や様々な場所の情報をもとに記載していますので、誤った情報を記載している可能性があります。
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